オレの背中を越えて行け!

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オレの背中を越えて行け!

On 6月 30, 2016, Posted by , In RUN,サハラマラソン, With No Comments

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こんにちわ!パーソナルランニングコーチのREDです!

 

今日もまずまずの天気(^^)/

この季節、

あまり陽が当たると、暑いですし、

当たっていなくても、蒸し暑いですから、

走るのには少し難しい季節ですね(´・ω・`)

 

 

さて、

■ 少し間が空いてしまいましたが、

サハラマラソン日記の第3弾です。

今回は、ボリュームがある文章です(^_^)

 

 

 

オレの背中を越えて行け!

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4/8 3:10 AM

オルリーでは、なかなか眠れなかった。

眠いことには違いない。

だが、ベンチで眠るのはあまりにも窮屈すぎた。

何度も身体の体位を変えて、

しっくりくる位置を探したが、

なかなか快適なポジションは見つからなかった。

 

気がつくと、隣で寝ていた西欧人がいない。

周囲が少し騒がしくなり、サハラの参加者も集まってきたようだ。

また寝ようかと思ったが、それもあきらめ、

チェックインの手続きに向かう。

日本人参加者も合流し、

ひとつづつ手続きを済ませる。

列こそ長いものの、

手続きは他の国際便と同じで、いたってシンプルだ。

手続きを待つ間、

日本人同士で談笑していたが、

あまり自分の過去については、話さないでおいた。

過度の期待をされたり、自慢するのはいやだったからだ。

 

5時過ぎには全ての手続きを終え、

あとは機内に入るだけとなった。

 

まだインターネットがつながったので、FBを見ると、

たくさんのいいね!とコメントがあった。

それにどう返していいかも分からなかったので、

そのままにした。

最後にLINEで彼女に連絡を取った。

早くても次に連絡を取れるのは、16日か17日になることを告げる。

「あなたが死んだら私はどうやって生きればいいの?」

と、半ばジョークが返ってきた。

サハラで死ぬことなんて、ありはしない。

いや、リタイヤすることは、死と同等のことかもしれない。

今は不安は全くないが、

そのときは、どういう顔をして連絡を取ればいいのだろうか。

搭乗までの短な時間をなるべく彼女とLINEをし、

彼女の気が済むまで別れを惜しんだ。

 

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4/8 9:04 AM

少し前にようやく飛行機は飛んだ。

6:15フライトの予定が、機体のトラブルで、2時間も遅れた。

特にアナウンスはなかったが(フランス語で分からなかっただけか?)

[何度か滑走路に向かうような動きをしては、

また搭乗ブリッジの位置に帰ってくる]

それを繰り返していた。

と言っても、

昨夜よく眠れなかったためか、

座席に着いた私は、すぐに眠ってしまい、

断片的な記憶しか残っていない。

まだ夜が明けていない時間のフライトだったにもかかわらず、

最終的に飛行機が飛んだころには、

朝日が顔を出していたので、

相当長く待ったことがわかるだろう。

 

どんどん加速していく機内で、

帰りの飛行機はどんな心境でいるだろうか、とイメージする。

 

やり終えた達成感か、すべてやった充足感か、

残念な結果に終わって悔しい思いか、途方に暮れているだろうか、

はたまた、とにかく寝たい、疲れた、と思慮にふけっているだろうか。

 

何度も言うが、蓋を開けてみないと、サハラはわからない。

もうやることはないし、あとは走るだけである。

変に力むこともなく、いつもどおり行くだけである。

 

 

サハラは例年お祭りムードの外国人も多い。

今年も機内の雰囲気は盛り上がっていたが、

不思議とそれに感化されることもなく、

ただそこに、ポツンと座っている自分がいた。

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4/8 12:08 AM

ワルザザード到着。

機内はエアコンが効いていたこともあり、

あまり暑くなかったが、

太陽の光は強烈で、窓ガラスに触れると、

すぐに手を離したくなる程だった。

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飛行機に乗って2時間も経った頃、

アフリカ大陸が見えてきた。

Google mapが奇跡的に反応し、

それがカサブランカだとわかった。

 

その向こうに白く輝くものが見える。

雪だ。

そう、山が見える、ということは、

その向こうには砂漠が広がっている。

旅の目的地、ワルザザードがそこにある。

 

そこまできても、目の前に薄茶色の大地が広がっていても、

まだサハラの実感は湧かなかった。

これは、私の神経がマヒしているのか、

平常心を意識するあまりか、

とにかく、特別な感情が湧かず、

山々の美しさに感嘆するだけだった。

そんな自分も、ワルザザードのイミグレを通過したときには、

ようやく、気持ちが高揚した。

主催者であるパトリックを始め、

たくさんのボランティアスタッフに拍手で迎えられたからだ。

 

『帰ってきた』『帰ってきたのだ』

心から実感が湧いた。

この空気感、雰囲気、熱、

これがサハラだ。

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思ったより、暑くない。

(20℃ぐらい)のワルザザードが一気に、

2年前の暑かったサハラを思い出させてくれた。

ワクワク、というか、

『サハラ』を感じる。

 

 

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4/8 5:11 PM

かれこれ、5時間ぐらい、バスに乗っている。

わかってはいたが、窓から見える風景はほとんど変わらない。

奇跡的にも、Google mapが反応するので、

今、移動していることはわかる。

そう、バスの終着点がわかったのだ。

奇しくも、2年前と全く同じ、『あのメルズスーガ大砂丘』。

その手前、2km地点が今回のスタート地点となる。

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一瞬にして、あの記憶が蘇る。

 

暑くて、暑くて、一向に近づかない目的地、

脚が攣ったまま悶えたCP1、

夕暮れを独り歩いた荒野、

そして、ヘッドライトの光…

 

あのコースをまた繰り返すのだ。

 

これは試されているのだろうか?

 

『2年前に越えられなかった壁を、どうしても越えて行け』

と言っているのだろうか?

そんなに容易く完走させてくれないと思っていたが、

やはり、この大砂丘を避けては通れないのか?

 

よかろう。

この2年間、オレが何をしてきたのか、見せてやる。

あの頃よりも数段パワーアップした自分を見せてやる。

それだけのことはやってきたのだ。

 

初日を完走することに全力を注ぐ。

 

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4/8 8:58 PM

全然、眠れない。みんな、よく眠れると思う。

ビバークには6時半頃に着いた。

やはり向こうに砂丘が見える。

間違いない。2年前と同じだ。

笑いさえこみ上げてくる。

やるしかない。

 

キャンプはてきとうに詰め込まれた。

誰と同じテントになるか、ある意味それも大事だが、

そんなことでさえ、どうでもよいように、

以前として、モチベーションは上がらなかった。

 

荷物を置くと、すぐに食事になる。

食事は大会側が用意してくれて、そこそこおいしかった。

それが終わると、各自テントに戻って寝る。

 

誰が参加しているか、以前としてわからないまま、

せっかく日本人同士で集まっているのに、ロクにコミュニケーションも取れていない。

なんと、もったいないことか。

そう内心思うが、もう何人も寝ようとしている。

緊張しているのか?不安なのか?疲れているからか?

もっと楽しんだらいいのに、と思う。

 

逆に言うと、自分はかなり楽しんでいる。

各テントを見まわるくらいの余裕はあるし、

先程からフラフラあちこちをぶらついている。

はっきり言って、ヒマだ。

一度サハラを経験すると、ここまで気持ちが楽なのか?

我ながら驚く。

と言っても、まだレースは始まっていない。

2日目、3日目も、今と同じような気持ちで夜を迎えたい。

 

星がキレイだ。

写真にはおさえられないのは、残念だと思う。

これを見ないで寝る人は、もっと残念だ。

 

【編集記】

■  本文でお伝えしたとおり、

今回のサハラは、2年前のサハラと同じ、

初日にメルズスーガ大砂丘が待ち構えるコースとなりました。

 

■ サハラ参加者ならわかるのですが、

この大砂丘は、サハラ名物であり、基本的にはこれが一番の難所です。

2年前も、ここでリタイヤする人も多かったですし、

毎年コースが変わるサハラマラソンにおいても、

この大砂丘だけは、ほぼ毎年変わらず、コース上に設計されています。

 

サハラマラソンは、

毎年コースが変わる大会なので、

その年によって、ラッキー・アンラッキーはあるのですが、

日本に比べて高温で、慣れない足場(砂地)、

という環境が、

身体に負担がかかることは十分に推し量れるかと思います。

 

それに加えて、

大砂丘が行く手を阻む。。。

 

これがどれくらいハードなことかは、

正直、実際にサハラでしかわかりません。

(だからこそ、サハラマラソンにチャレンジして欲しいです!)

 

■ 私自身においては、

2年前に一度、それを経験しているので、

このコース設計の過酷さを肌身を持って実感していますし、

それがどれだけハードか、も、記憶に鮮明に残っています。

 

そんな苦い過去と、この2年間のトレーニングを、

あたかもパトリック(主催者の親玉)は知っていいたかのように、

今年のサハラマラソンで再現させた。

 

まるで、

『オレの背中を越えて行け』と言わんばかりの演出。

 

この地図を見た瞬間、

『マジか…汗』

という、焦りと、

 

『これも試練。

この2年間、この日のためにトレーニングしてきたのだっ!』

という、闘志も湧いてきました。

 

それと同時に、

初日を完走することに全力を注ぐことを心に決めました。

 

初日の詳しいことは、

後日のブログで書くとして、

ここで腹をくくれたことが、結果として、余裕につながったのかもしれません。

 

 

■ よく言われる話ですが、

『そこに壁があるならば、それは偶然ではなく、必然。

その人に課せられた試練』

なのだと思います。

 

そう考えれば、

「私の2年前のリタイヤは必然」ですし、

「今回の大砂丘も必然」です。

 

 

別に、人生訓めいたことを言う訳ではありませんが、

「そこにそれがあること」は、

「何かしら意味のあるもの」「何かしらのサインを送っていること」

と、とらえるべきでしょう。

 

それを、

「ツイている」「ツイていない」

で片付けると、

全部、運のせいにしてしまいます。

 

そうではなく、

 

 

「それも何かしらの意味があること」

と捉え、前向きに考えるほうが、ものごとはうまくいきます。

 

 

 

 

長くなりましたので、今日はここまで。


[まとめ]

  • そこに壁があるならば、それは、偶然ではなく、必然。その人に課せられた試練。
  • それを「ツイている」「ツイていない」で片付けてしまうと、全部、運のせいにしてしまいがち。
  • 壁があるのは、何かしら意味のあること。そう捉えるほうが物事はうまくいく。

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