『4th day ー 人生は、垂れたクソのにおいを嗅ぐでねぇ!』
8:05 AM
生憎の雨。
着くのはイヤだから、少しでも早く出ようとしたが、
寒くて寝袋から出られない。
軽量化のため、いらないものを捨てまくった。
なんだかんだで1kgは軽くなったと思う。
スタートして、
比較的、緩やかな道が続く。
足の調子は悪くない。
コンビニで、
朝飯を食うまでに10km走った。
空腹のせいか、スピードがでない。
時間がもったいないので、歩きながら食べる。
塩のおにぎりが美味しい。
また足が痛む。
右のかかとと小指だ。
また豆ができているに違いない。
道なりに行く。
警察署の前を通る。
こんな看板があったが、
これはどれくらいすごいことなのだろうか?
自転車のカップルに追い抜かされた。
どうみても地元の人だ。
ゆっくりと何もない国道を走っていく。
車がない人は、自転車でデートするのだろうか?
登りにさしかかる。
「登りがあれば、下りもある。
登りを如何に耐えるか、下りはそのままの勢いに任せればいい。」
最近そんなふうに思えるようになってきた。
この峠を越えれば、昼メシが待っていることがモチベーションとなる。
峠を越えれば、食堂があるはず、、、だったが、ない。
どうも繁盛していないので、
閉めてしまっているらしい。
テンションだだ下がりだ。
仕方なく市街地へ向かって歩く。
川を渡ると、「カレー」の登りを見つけた。
無我夢中で駆け込む。
出てきたのは、坊主頭の優しそうなおじさんだった。
注文は?と聞かれ、メニューを見る暇もなく、
カレーと頼む。
出出されたのは、
具が全くなにかわからない黒いカレーだった。
店主がなにかしゃべっているが、
そんなのお構いなしにスプーンを口に運ぶ。
「ウマイ!」
5分もしないうちにたいらげてしまった。
坊主頭の店主は高橋さんという、
この辺のラヂオで番組も持っている方だった。
この店は半分趣味でやっているという。
楽器がたくさんあり、京胡(ジンフ)という楽器の演奏を聴かせていただいた。
非常に哀愁ある音だった。
色々なお話を聞かせてもらったが、その中でも、
「人生は、垂れたクソのにおいを嗅ぐでねぇ」
という言葉が心に残った。
「いつまでも過ぎたことにくよくよするな」
の意味らしい。
言葉のインパクトもあって、強く響いた。
昼食をとると、俄然やる気になった。
走るのも軽快。
8km/Hぐらい出ていた。
そのまま1時間半くらい走り続ける。
雨が降ってもお構いなしだ。
なにか今まで寒さや体のこともあって、
どこかネガティブになったいた。
それも高橋さんの話をきいていると、
本来の自分を忘れていたことに気づいた。
「自分は荒唐無稽なことをしたくて、走っているのだ」
「自分の走りを見て、やる気になる人、なにかトライしてみよう、
と思ってくれる人がいるのだ。」
「その人達のためにも、僕が暗い顔をして走っていてはいけない」
「もっと明るく走ろう!」
調子が良くなってから、2時間は走った。
Googleで確認するがまだゴールまで、12kmある。
高橋さんの店から22kmしかないのに、
2時間で10kmしか移動していないのは、おかしい。
わけがわからないが、とにかく進む。
ゴールの士別まで、あと9km。
長い長い真っ直ぐな道が続く。
走っても走っても先が見えない。
「旭川まで○○km」という看板を目安に、
腕時計で時間を測るが、
「力を入れて出るスピード」と「1km辺りの時間」
に大きく隔たりがある。
時刻は5時半。
また夜を迎える。
そこからはもう歩くのがほとんどだった。
走っても、思ったより進まない。
夜の8時過ぎ、ゴールの民宿に辿りつけた。
泊めていただけないか、訪ねるとokだという。
金額は3,500円。
5,000円ぐらいだと、値切ろうと思っていたので、
拍子抜けだった。
今日の移動距離: 51km
累計:216km
北海道を抜けるまで:あと484km
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