『51st day ー 月明かりに照らされて』
9:53 AM
あまりの寒さで目が覚める。
気温はさらに下がって9度。
足の感覚がない。
完全に足が死んでしまっている。
「もう少しすればマシになる…」
根拠のない希望が頭をよぎるが、すぐに現実を思い知らされる。
とにかく足を温めないとトイレでさえ行けない。
暖かいドリンクを買い、足をそれで暖める。
寒い中、準備をし、やっと荷物をまとめ、出発したのは10時前だった。
今日は単調な道が続く。
アップダウンもないから気分的には身構えないでいいので、楽である。
とは言うものの、あまり遅くなると、
昨日のようにめちゃくちゃ寒くなるので、
8時くらいにはゴールしたい。
今日も何気に距離はあり、56kmの行程だ。
走り出してすぐに暑くなる。
今朝の寒さが嘘のようだ。
防府市を過ぎ、休憩を挟んで順調に進む。
今日は比較的海が近く、中小の半島沿いを行くため、
進捗を実感しやすい。
途中、種田山頭火の俳句が書かれていた。
山口は、種田山頭火や吉田松陰師匠など知っている人物のものが出てくるからうれしい。
3時前、残り30kmというところまできた。
コースは違うが、昨日は4時で残り30kmだったので、よくなっている。
秋穂の道の駅に立ち寄り休憩しようとすると、
プリンが売ってので買ってみた。
思えば、宇都宮のギョーザ以来、なにもご褒美らしい物を自分に与えていない。
プリンはプリン。
なんてことない平凡なプリンだったが、
ちょっとだけモチベーションが上がった。
秋穂を抜けてしばらく行くと、日が暮れ、峠に差し掛かった。
最初はどうってことない峠と思っていたら、甘かった。
走り屋が好んで走るような道である。
明らかに人が夜通る道ではないだろう。
そんな中でも、この道を行かなければならない。
黙々と走り続ける。
しばらく、ペースもよく走れた。
音楽も聴きながら、アップダウンのある坂を走っていると気持ちがよかった。
それにときどき街頭があるから暗くもないし…
「え?街頭(∵)ヘ?そんなものあったっけ…?」
周りを見回したが、それは見当たらない。
ではなぜこんなに明るいのか…?
それは月だった。
月が僕を照らし、道を照らしてくれている。
こんなに月が明るいとは。。。
ライトなんかより、よっぽど役に立った。
その後、交通量が多く、歩道が狭い峠に出た。
トラックの往来がハンパなく、
道が見える見えないよりも、自分の居場所を知らせるために後ろにライトを向けて、
自分の居場所をアピールして轢かれないようにした。
今日の移動距離:56km
累計:2526km
福岡まで101km
日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)