『9th day ー 待っている人がいる。こんなに嬉しいことはない。』
8:25 AM
足の調子はまぁまぁ。6km/hぐらいのペースで走る。
今日はきっと12時間コースになる。
長い道のりだ。
平岸高台公園に着く。
ここは水曜どうでしょう⁉︎の聖地。
この企画の根源ともなった番組の発祥の地。
なんとしても、訪れなければ。
同じようにここを訪れた京都から来た人と記念撮影する。
いい思い出となった。
しばらく行くと、コンビニの前に立っていた人から声をかけられ、
ポカリをもらった。見知らぬ人に、こういった好意を受けるのは非常に嬉しい。
10時前、
36号線に入る。
道は真っ直ぐで迷うことはないが、
緩やかなアップダウンが続く。。進まない。
12時過ぎ、前方から歩いて来る人を見つけた。
それも一人二人、ポツポツと歩いて来る。
よく見ると、胸にゼッケンらしいものを付けている。
年配の方が多い。
その中の数人のおばちゃんに声をかけると、
北広島から30km歩くという会だそうだ。
僕とは、趣旨が違うし、方向も逆だが、
負けず嫌いのせいか、少しやる気になって走る。
おばちゃんに日本縦断していると、伝えると、
すぐに、キャラメルと塩入りのタマゴをくれた。
すぐに飴をくれる様は、大阪のおばちゃんを思い出させた。
1時半ごろ、
もう少しで恵庭、そして昼食、という時だった。
道で草刈りをしているというおばちゃんに声をかけられた。
「北海道はどう?」という話から、
「調査は順調?」
「SPか?皇室の人か?官僚の人か?」
と、思いもよらぬ質問を投げかけられた。
「一般人の格好して、北海道を調査してるんじゃないか?」
となにか小説めいたことを想像しているようだ。
いくら「普通の人です。」と答えても、
「素性を空かせないのはわかるけど…」と、信じてくれない。笑
その間、彼女はずっと喋り続けている。
話が切れたら行こうと思ったが、なかなか切れない汗
なんだかんだで、30分ぐらいあーだこーだと、
過去のエピソードを聞かされて足止めしたので、
昼食はコンビニのカレーにして時間を省略した。
昼飯を食べ終えて、3時前。
ここまでで、28km。6時間半かけてまだ半分も来ていないのである。
今日はやばい。残り37kmもある。
もうちんたらしている場合ではない。
そこからは必死に走った。
ひたすら黙々と走り、一時間に一回少し休憩をいれるくらいだ。
6時半ごろ、残り19km。
そろそろ限界が近いてきた。
今日は本当にキツイ。
道は峠に差し掛かり、暗い中、無理やり足を進める。
今日はベトナム時代の友人、アッキーの実家に泊めさせてもらうことになっていた。
本来ならば、野宿のはずだったので、
非常にありがたい申し出だった。
そんな彼が待っていてくれるのだから、
なんとしても行かなければならない。
もう足の筋肉が張っている。つらい。
負の感情が湧き上がってくるのを堪え、
何度も自らに気合い入れて走り出す。
あと◯km、、、とGoogleMAPで確かめながら、
「アッキーが待っている…」
その一心で進み、
9時半過ぎ、ようやく苫小牧の駅に到着。
ゴールである。
もう限界、歩くのでさえ、困難であった。
アッキーとは、少し迷ったが、無事に会えた。
早速、彼の実家に案内され、荷物を置き、
温泉と食事をしに行った。
彼と会うのは、実に3年半か、4年ぶりである。
当時の人たちの話や、今のベトナムの変わり様を話していると、
懐かしかった。
そして、僕はなによりも、
こうして、日本で会えたことに感謝した。
彼が待っていてくれたから、
走ることができた。
もし誰も待っていなかったら、途中で諦めて野宿していたと思う。
本当に、待っていてくれる人がいる。
これほど嬉しいことはない。
今日の移動距離:65km
累計:466km
北海道を抜けるまで:あと234km
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