『34th day ー 体を騙しながら走る』

Home  >>  日本縦断  >>  『34th day ー 体を騙しながら走る』

『34th day ー 体を騙しながら走る』

On 10月 18, 2014, Posted by , In 日本縦断, With No Comments

9:22 AM

昨日は秋吉さんという方の家でお世話になった。
よく喋る人で夜遅くまで、ずっと喋っていた。

image

 

今日は、いよいよ箱根峠に突入である。

気合入れて挑む。

image

箱根を出て、すぐに登り坂になった。
車線を片道規制していたこともあり、
車がノロノロと上がって行くのを追い越しながら、黙々と進んだ。
坂はキツイ。左足は完璧に逝っている。
歩けば痛む。が、走れば痛みはマシになるが、
登りはキツイ。延々と坂は続く。

そうしてひたすら耐え、40分も経った頃、
ふと休憩がてらGooglemapで調べてみると、
なんと、もう高さ750m、頂上まで3.5kmというところまで来ていた!
もっとハードなのが延々と続くとイメージしていたので、
驚きと呆気なさにとらわれた。

 

image

が、違った。そんなすぐに箱根峠が終わるわけがなかった。
それはまだ始まりに過ぎず、まだまだ箱根峠は続いた。

何かの手違いだったのだろう。またGooglemapにだまされた。笑

途中、何度か休憩し、コンビニでおにぎりを食べて進む。
相変わらず、坂は続くが、なんとなく慣れてきた。

 image

登り出して4時間。
ようやく箱根峠の最高地点、1号線の最高地点に到着。
けっこう疲れた。

image
ここまでかかるのあれば、
昨日の夜に箱根峠越えをしていたら夜中の2・3時になっていただろう。
この時間で14度だから夜は相当冷えるに違いない。

image

 image

 

芦ノ湖を過ぎれば、静岡県に入った。

これでいくつ目だろう?

思い出せないが、今はそんなこと、どーでもよかった。

image

 

「最高地点に着いたら、あとは下るだけだから楽っ!」
と思ったら、甘かった。
左足が悲鳴を上げ出した。
下りの方が体重が前のめりになる分、それを抑えようとした足に負担がかかるのだ。
これはしばらく痛む。
早く平地に出たい。

下りも楽ではなかった。

image

下りは歩行者のための旧道がある。

が、それも江戸時代に使われていたもので、石畳でかつ急な坂道になっていた。

これは左足に負担がくる。

痛むが、もう日は傾きかけている。

こんなところで止まりたくない。

imageimage

 

峠を完全に越え、町中に入った時には、
すでに6時を過ぎていた。

image
峠の下りも緩やかになってからは、足の痛みもなくなった。
まだ走れる感覚は十分にあった。
だが、時間が時間だ。
ここからつぎの街、吉原まで25kmある。
そこまで行けば、ネットカフェもあるし、距離も稼げるが、
到着は10時になるだろう。
途中で引き返すことや野宿することもできない。
かと言って、ここで止めれば、30kmも走っていないことになる。
峠があったにしても、この短い距離ではあとあと効いてくる。
(どうするか………)
少し考えたが、とりあえず9時まで走ってみることにした。
9時まで走ることを自分に仕向けて、あとは残りの力で3-4kmいけばいい。
そこで野宿でもいいだろう。
そう思って走り出すと、足はすんなり走ってくれた。
あまり「痛い」と訴えかけてこない。
明らかに足は麻痺し、もう飾りのような状態だが、
痛みを主張してこない分、走ることができた。

 

しばらく行くと、「名古屋まで○○km」の看板が出てきた。

image

そんなに遠くないのだ。早く名古屋に着きたい。

 
なるべく集中して走り、8時半くらいに地図で現在地を確認した。
すると、まだ予定の半分も走れていなかった。

現実はそんなに甘くない。

というか、最初からわかっていたことである。

でも、峠を越えた6時過ぎの段階で、

「とりあえず9時まで走ってみよう」

と、自分自身を騙さなければ、あのまま終わっていた気がする。

もう体は騙し騙しやっていくしかないのだ。

特に左足はそう言い聞かさないと、「NO」と言って痛みで訴えかけてくる。

 

それでも、9時を過ぎたあたりからそれも効かなくなってくる。

走ろうとしても、まったく力が出てこないのだ。

歩くと、左足が「痛い」と文句を言ってくるし、

立ち止まるのは何の解決にもならないから前に進みたい。

走れば、少し走れるが、すぐに足が上がらなくなる。

完全なエネルギー切れである。

手持ちの食料はすべて使い切ったし、コンビニもない。

そのとき走っていたのは、国道沿いだが、工場か空き地しかないさびしい地域。

気づけば、靴もボロボロだった。

靴底が(特にかかとの部分が)平面化してきていることは知っていたが、

ついには靴底と足を覆う部分が外れてきた。

走っていると、足が地面につくような感覚が少しある 。

image

image

もう気持ちだけ、ここまできたら野宿はしたくない。

(なんとしても、ネットカフェまで…)

そう自分を鼓舞させ続け、足が棒の状態になりながら、

吉原のネットカフェに着いたのは、夜の11時。

「とりあえず朝飯は買っておこう」と、

ネットカフェの前に荷物を置き、コンビニまで歩き出したが、

体が勝手に走り出した。ずっと走り続けていたので、走ることが体に染み付いてしまったらしい。

 

 

image

 

今日の移動距離:54km

累計:1634km
大阪まで:あと398km

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)