『55th day ー 太く生きる。』

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『55th day ー 太く生きる。』

On 11月 8, 2014, Posted by , In 日本縦断, With No Comments

9:36 AM

朝起きたが、それほど寒くない。
天気は曇りのようなので、走りやすいかもしれない。

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11時、国道443号線にでた。
この道が最悪だった。
片側一車線の狭い道路なのに大型のダンプカーが行き来する。
コンビニもなく、僕は昨日の夜食べたて出たゴミを抱えたまま、
3時間も経っていた。
歩道の狭さと車の往来、ゴミに、足の痛み、しかも、登り。
もう最悪にもほどがある。
トラックの運転手を恨む。
明らかに抜け道で使っているだけで、こんなところに用があるわけない。
400番代の国道に大型車が通ること自体、間違っているのだ。

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今日はずっと山道が続く。

熊本にも入ったが、毎度代わり映えのしない道なので書くこともないので、

ここで最近僕に起こっているある現象について書きたい。

広島を過ぎたあたりから起こっているのだが、

それは「デジャブ」だ。

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毎日違う道、新しい土地を走っているわけだが、

「あれ?ここ知っている」「前に通ったような…」といったような記憶がある。

それはもちろん通ったことがあるのではなくて、

同じような場所をこの2ヶ月の間に何十回も見てきているから、そう錯覚するのだ。

このような錯覚が一日に何十回も起こる。

たとえば、郵便局を見ると、

「相生のホテルに続く道路を左折するときに、角に郵便局があったこと」や

ミニクーパーのショールームを見ると、

「盛岡駅を越えて少し行った斜めに入る道の右側にミニクーパーのショールームがあったこと」

自転車に乗った中学生を見ると、

「岡崎の手前、20kmあたりの峠で中学生の集団に追い抜かれたこと」

ベンチを見ると、

「静岡の吉原に向かう途中、ただまっすぐの並木道に木のベンチがあり、もうここで寝ようか。と考えたこと」

などなど、

ブログにも、写真にも残らない、僕の記憶の中に焼きついている数々のシーンがフラッシュバックしてくる。

それだけ印象が深いのだろう。

そんな記憶が、この2ヶ月で膨大に記憶されている。

「一生に残る思い出」とは、こういうことなのかもしれない。

 

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よく、「太く短く生きる」とか「細く長く生きる」とかいうのは、

「思い出の質と量」によって分類されるのではないだろうか。

僕は断然「太く生きる」「濃い質と量を短時間で経験する」ほうを勧める。

なぜなら、太く生きるほうが時間を有効に使っている気がするし、

たとえ少しの無茶(といっても人によって程度は違うが)をしても、

だいたいは死ぬことはないのだ。

反対に、長く生きようとするために、できる限りのリスクを排除しても、死ぬときは死ぬのである。

台風や地震など天変地異が絶えない日本ならなおさらだし、

乗っている電車が衝突事故を起こすことや、突然天井が崩れ落ちて生き埋めになることだって、あり得ないこともない。

長く生きるというのは、そういった”IF”を排除して成り立つものである。

それでも想定外のことは起こり、死に至ることだってあるのである。

 

 

僕が尊敬する人の一人に、一ノ瀬泰造というベトナム戦争時代に活躍した写真家がいる。

その人の言葉で、

「常に死を意識したとしても、また、生に執着したところで、

人間どこに居ても死ぬときは死ぬ」

という言葉がある。

まさにそのとおりではないかと思う。

そんな戦時下で生きているわけではないが、

たまたま私たちは生きながらえているだけで、何かの拍子に死が訪れることだってあるだろう。

だから、いつ来るかわからない死を恐れるのなら、

それまでに後悔しない、濃い、太い人生を歩むほうがいいのではないか。

そんなふうに思うのである。

この2ヶ月は、めちゃくちゃ濃く、たとえ半年後に死んだとしても、

人生を後悔しない記憶になるだろう。

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さて、8時過ぎに熊本市の中心部に到着。

繁華街は賑わっており、明らかに場違いだったが、正々堂々と走り、ネットカフェに到着。

もうここを過ぎると、こういった繁華街を走ることがないかもしれない、と思うと少し寂しかった。

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今日の移動距離:55km

累計:2740km

佐多岬まで271km

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