『11th dayー 食べれるものは何でも食う』
9:20
出発。
スタート時は小雨が降る曇り空だったので、
非常に走りやすかった。
これ以上、雨が酷くならなければ…
と思ったが、
それは気鬱で、すぐに陽が照り始めた。
今日はかなり快調に進む。
2時間で15kmも進んだ。
今日の行程の1/3を2時間で走破したことになる。
このまま行けば、遅くても6時には今日の目的地に着くことになる。
まぁ、そう上手くはいかないけどー
途中、旗のポールが少しづつずれ落ちてくるのを
近場にいた人に直してもらった。
このポール、締めるところ締めても、
走っているときの衝撃で落ちてくるのが面倒だ。
自分でそれを直そうとすれば、
荷物を一旦降ろさなければならない。
長万部まで、78kmの看板が出てきた。
旭川までーkm、札幌までーkm、札幌からーkm、
と、きて、4つ目は長万部まで。
それも明日のゴールだから、
最後はやはり函館までーkmか?
風が強くなってきた。
海がすぐ左にある。
座っていても、旗がなびく。
今日の行程をみると、あと21kmしかない。
まだ1時半。
最初の頃に4時の段階で残り18kmあったことを考えると、
かなり余裕だ。
このあと飯を食っても、6時には着くだろう。
もうちょっと先まで行けたら行きたい。
明日を少しでも楽にするほうがいい。
午後2時半、昼食予定場所、崎守に到着。
やっと、休憩できる、と思ったら、問題発生である。
Googlemapが指す予定の場所に食堂も、レストランもないのである。
閉まっている、とかではない。
ただの民家で看板も何もないのである。
またGooglemapさんにやられた(; ̄ェ ̄)
諦めて2.3km先のコンビニまで行くことにした。
今度こそちゃんとそこにある、と信じて。
コンビニで食事を終えた時には、もう4時前だった。
「あと13km、楽勝!」と思った。
が、事はそう簡単ではなかった。
風が正面から強く吹き付けてきたのだ。
なかなか進まない。
普通に立っていても、かなり旗がなびくほどだ。
ここまで、かなりの労力を使っており、
風にまともに対抗する力は残っていない。
風の抵抗に嫌気がさしながら、
淡々とすすむ。
6時過ぎ、今日のゴールも目の前となり、
明日の朝食をコンビニで買い込んで、
外で荷物をまとめていると、
「歩いているんですか?」
と、コンビニの店員さんに声をかけられる。
この旅で、声をかけられる時はだいたい、
「歩いているんですか?」
と聞かれる。
本人としては、走っているつもりだが、
否定するのも面倒なので、はい、と答えている。
そのコンビニの店員さんは、
「おでんの廃棄がたくさんあるので、持って行ってください。」
と、おでんの容器いっぱいに、はんぺんやガンモドキなどを詰めてくれた。
あとで食べたときには食べきれないほどの量であった。
食べれるものは何でも食う。
特に頂いたものなら尚更そのご好意を有難く頂戴しないといけない。
しかし、今回は食べ終わるまでに1時間以上かかった。
6時半ごろ、目的地の伊達温泉に到着。
「さて、どこか雨・風をしのげるところは…」
と探したが、野宿できそうな場所は何もない。
温泉の裏側がサイクリングロードになっているようで、
木で出来た背もたれもないベンチが一つあるだけ。
「ここか…」
今日は野宿するつもりではあったが、
ここまで無防備なところだと、少し不安になる。
初日の宗谷岬のように、
キツネなんかの動物が現れないか、心配になる。
が、もうこうなったら、仕方が無い。
腹をくくる。
温泉に入り、閉館ギリギリまで粘って、
いよいよ野宿決行である。
寒さはあまりきつくないが、
風がものすごく強い。
木が揺れる音で、他の音が何も聞こえなくなるほどだ。
眠い。寒い。
ブログを書くつもりだったが、諦めて寝た。
今日の移動距離:48km
累計:551km
北海道を抜けるまで:あと154km
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