『14th day ー 試された大地、北海道』
8:48 AM
今日は快晴。
これは走ると暑くなる天候だ。
昨日、野宿を共にしたサワくんはまだ起きたばかり。
自由気ままに走っているのだろう。
チャリだから余裕があるのかもしれない。
今日は汗がかなり流れた。
7km地点から登り坂になった。
昨日の勢いそのままに走り続ける。
きついが歩かないで走れる。
これまで何度となく、こういった坂を越えてきた。
もうわかっている。
止まない雨がないように、終わらない坂もないことを。
30分ぐらい登り続けた。
歩道も狭かったので走りにくかったが、
旗が目立ったせいもあり、車が避けてくれた。
走り出して1時間半が過ぎた頃、
サワくんに抜かれた。
後からきた人に抜かれるのは悔しいが、
あまりにも立場が違いすぎる。
気にせずコツコツ走る。
昼過ぎに峠を越えてから、急にペースが落ちた。
明らかなスタミナ切れだ。
あと十数キロほどしかないが、
このままたらたら歩くのも嫌なので、
コンビニで昼メシ、休憩にする。
ここまでの道のりを思い返してみる。
もう気づけば、14日目である。
宗谷岬を出て走った距離も700km弱と、全体の1/4である。
毎日走っていると、
見るもの聞くもの、
何も珍しい、と思わなくなっている。
もうこの生活が常態化している、と言ってもいい。
最初の方こそ、
気温差や荷物の負荷、動物の脅威、
走ることそのもの、恐怖のトンネル、傷や痛み、
雨・風、朝晩の冷え込みなど、
経験したことがない環境下に身をおき、
四苦八苦していたが、
7日目あたりから徐々に慣れてきて、
10日もすると、もう当たり前になっていた。
きっと北海道は僕を試していたのだろう。
「本気で走る気が、日本縦断する気があるのか」を。
確かに、最初の方は、
「言っちゃったからやらないといけない」や、
「勢いでここまで来たけど、大丈夫か…?」など、
義務感や迷いもあった。
が、それでも走り続け、
平均50km/日は走ってきた。
一応は、試練にはクリアしたのだろう。
正直、「ここで終わってもいいか…」
と思ったこともある。
でも、そこで思い直したのは、
「応援してくださる方がいるから」だ。
「ダメでした。また次回リベンジします」
と、サハラの時のようなことはしたくない。
この後の自分の人生がどうなるか、わからないけど、
今はとにかく日々の目標をクリアして行くだけである。
こんな自分でも必要としてくれる人がいれば、
この後も生きていけるだろう。
とにかく僕は、走るしか出来ないし、
バカみたいに走っているときの僕が、
一番自分らしいと感じているのだから。
3時半には今日の目的地、ゲストハウスに着いた。
こんなに陽の高い時間に目的地に着いたのは、初めてだ。
洗濯物もしっかり洗い、帽子もついでに洗う。
帽子でさえ、塩をふいているので、
服も当然汗まみれである。
今後、東北に入ってからも寒さはある程度続くだろうし、
車の往来も激しい道が多いに違いない。
服も帽子もどんどん擦り切れていくだろう。
これからまたしばらくハードになると思うが、
付き合っていただくのでよろしく。
今日の移動距離:38km
累計:706km
東京まで:あと772km
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