『57th day ー 前に進むのをやめちゃいけない ‐鹿児島包囲網突破‐』
8:53 AM
昨夜、寝た道の駅の仮眠場は快適に眠れた。
全ての道の駅がこうであればいいのに、、、
と、これまでのベンチで寝た道の駅を思い出した。
今日は九州最大の、そして、最後の難関(のはず)、
鹿児島包囲網を突破しなければならない。
西の海岸線を行けば、山を越える必要はないが、
それでは倍以上の行程がかかってしまう。
そこで僕が目をつけたのは、
水俣市と伊佐市を結ぶ道路・268号線。
このコースは、400m越えの山と30km近くコンビニがない点だけクリアすればいい。
いや、かなりキツイのはわかっているが、これしかない。
あと4日。60日間でやり遂げるにはこれしか方法はないのだ。
走り出して1時間。
1.6kmのトンネルに差し掛かる。
ここまで長いトンネルはなかったのではないだろうか?
歩道もないに等しい。
走る。必死に走る。
周りの音もなにも気にならない。と言うか、気にしない。
もう走るしかないのだ。
この日は、このトンネルに限らず、大小いくつかのトンネルと、歩道の狭い道を通った。
いよいよ田舎道に入ってきたのだ。
午後1時半、最後のコンビニに立ち寄る。
ここからゴール付近までは何もない。
買い込めるだけ買い込んで装備を整える。
いよいよ鹿児島包囲網に突入だ。
午後3時、地図で見ると、ここから先は何もない。
10km以上、急な山路が続く。
エネルギー補給して、気合い入れて進む。
まともに走れないことなど、知っている。
だが、前に進むしかないのだ。
坂が続く。
とても走れるような坂じゃない。
走ろうとするも、脚が上がらない。
十数メートルも行くと、歩いてしまう。
もう歩いてでも進むしかない。
道は延々と、上り坂でカーブが続く。
全く先が見えない。。。。
もう無心、ただただ歩く。
何度も休みたいと思ったが、休まなかった。
歩くのを、前に進むのを止めちゃいけない。歩き続けなきゃいけない。
こんな山の中で、日暮れを迎えたくない。
なんとしても今日中に鹿児島入りしなければ。。。
歩き出して3時間。午後5時。
やっと、ほんとうにやっと、このラン最後の都道府県、鹿児島に入った。
それは上り坂の終わりを意味していて、日暮れに間に合ったということだった。
あまりの嬉しさにその場で
「お”ぉぉぉーー!」
と、雄叫びを上げてしまった笑
「ほんとうにこれで最後のボーダーになる」と思うと、
長かったこのランの終わりが近づいていることを実感した。
峠を越えたが、安心してられなかった。
ここから下りである。だが、日暮れが近い。
30分もすると、あたりは真っ暗になった。
街灯がひとつもない。本当にひとつもない。
早く下り終えてしまわないと、下りでスピードを増した車が僕に気づかずに轢かれてしまう。
さっき、止まらず歩き続けて本当によかったと思う。
急いだ甲斐もあって、7時に宿に着いた。
今日はブログやWEBなど、色々とやってしまおうと思っていたが、
眠くてぜんぜんできなかった。
ほんとうに疲れていたのだと思う。
もう後3日。今日でその山場を越えたと思いたい。
今日の移動距離:54km
累計:2852km
佐多岬まで159km
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