『7th day ー 目標に追われるのではなく、追うべきである。』
8:49 AM
午前6時、
けたたましいサイレンで目が覚める。
温度計がどんどん上昇するかのように、音は高くなり、
また何事もなかったかのように、音は消えた。
辺りは明るくなっているが、視界は悪い。
霧だ。
車もライトをつけて走っている。
天気予報を見ると、気温9度、湿度90%。
そりゃあ霧も発生する。
順調に南下するが、すぐに暑くなる。
最初は固まっていた足も徐々にほぐれてくる。
ペースもいい。6.5-7kmぐらいは走れる。
調子がいいので2時間走り続ける。
途中、500mぐらい先に初老の男性が見えた。
どうも走っているようだ。
時速6kmぐらいか。
「抜ける。抜いて見せる」と欲が出てくる。笑
そこから約2km、地味だが、激しいデッドヒートが幕を開けた。
老人は橋の登りに差し掛かり、スピードが落ちる。
僕も登りに差し掛かるが、スピードそのままで突っ込む。
徐々に差は縮まる。450,400,350…
もう少し、もう少しだ。
前方で橋の終わりが見える。
「まさか、、、」と、あらぬ予感と頭をよぎる。
あと150,130,100,…
声をかければ、聞こえるのではないか、
と言うー距離までくる。
40,30,20…
そして、老人はやってしまった。
老人は川の土手へ。北に向いて走り出したのだ。
これにて、デッドヒートを呈したレースは終了。
惜しくも寸前のところで追い付かず…
がしかし、ここまでいい走りができた。
目標に追われるのではなく、追うべきである。
ありがとう、見知らぬ老人。
帽子を取って深く一礼する。
12時半前、鶴沼の道の駅で昼食にする。
店は混んでいる。
僕は自分が臭いことをわかっているので、
風通しの良い窓際に座る。
2時過ぎ一本道の国道を行く。
ところどころ町?村?があって、
以前より声をかけられることが多くなった。
ある農家のおばちゃんは、僕の目の前に軽トラを止め、
「はい、これアンコ餅、手作りの!」
と言って、アンコ餅をいただいた。
こういうのが、一番嬉しい。
美味しく頂きました。
昼からは、体が重い。
走れても1時間6kmのスピードだ。
それも長続きしない。
すぐに歩いてしまう。
ついには、ケツづれまで起こしてしまう。
(ケツづれとは、
・お尻の筋肉と筋肉が擦れて炎症を起こし、膨れ腫れること、造語)
股も擦れて痛い。
これらに対抗するためには、テーピングを貼るしかないが、
今はできない。
そして極めつけには、
ポールと旗を留めているネジがなくなってしまった。
これでは旗は一点だけ留めている状態でうまくなびかない。
それに気づき、何百mか道を戻ったが、見つからなかった。
小さなパーツだから、見つけるのは困難だろう。
札幌までは最低でも旗を諦めなければいけない。
よくないことばかり起こる。
たまにはこういう日もあるのだろう。
6時半
なんとか泊まることができた。
運がいい。
もう正直、限界だった。
当初の目標、
新篠津の道の駅まであと十数キロあるが、到底行けそうにない。
それよりちゃんと体を治療する必要がある。
月形温泉でも十分だ。
明日挽回できる。
今日の移動距離: 41km
累計:352km
北海道を抜けるまで:あと348km
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